WHAT IS X-RAY INSPECTION SYSTEM?「X線検査装置」とは
「X線検査装置」とは、検査対象物を破壊したり形状や機能を損なうことなく、ほとんどリアルタイムに対象物の内部の解析・検査を行い、異物や破損を検出することができる装置です。
X線を機検査品に照射して得られる透過画像に基づき、肉眼や可視光カメラによる撮影であっても確認できない内部を透視することができます。異物や破損の検出のみならず、検査品の形状不良や数量不足も検査可能なことにより、X線検査の可能性は広がりを見せています。
生産現場においては、「X線検査装置」を導入し、異物の有無や破損を高精度に検査することで、異物混入や製品不良を防止し確実な品質管理を行うケースが増えています。
QUALIFICATIONS AND REQUIREMENTS「X線検査装置」を使用するための資格や条件
「X線検査装置」を使用するための資格
「X線検査装置」を使用するためには、「X線作業主任者」の資格を取得する必要があります。
資格の取得においては、下記の4つの試験を受け、合計で60%(各科目40%)以上の得点で合格することが求められます。
なお、本資格には更新制度はなく、一度合格すれば永久に資格を保持することができます。
・X線の測定知識
・X線の生体に与える影響
・関係法令
「X線検査装置」を使用するための “特別の教育”
「X線検査装置」の使用における関連法令のひとつである「電離放射線障害防止規則」では、X線装置またはガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務あたる際、当該労働者に対して「特別の教育」を行うことが定められています。
一 透過写真の撮影の作業の方法
二 X線装置又はガンマ線照射装置の構造及び取扱いの方法
三 電離放射線の生体に与える影響
四 関係法令
PRICE RANGEX線検査装置の用途別、価格帯
簡易型/卓上型 | 汎用型 (廉価型) |
汎用型 | 高解像度型 | インライン 自動判定型 |
低価格/低倍率 卓上タイプ |
据え置き型 抜取り検査 |
据え置き型 抜取り検査 |
据え置き型 抜取り検査 不良解析 |
インライン型 自動検査 全数検査 |
リレー、ハーネスなど 0.5mm〜 拡大しなくても良いもの |
実装基板など 300μm〜 |
実装基板 ICなど 20μm~ |
ICなど 2μm~ |
実装基板 ICなど |
方式 =2Dタイプ |
方式 =2Dタイプ 斜め観察可 斜め観察≠3Dではない |
方式 透過=2Dタイプ 斜め観察可 断層=3Dタイプ |
方式 透過=2Dタイプ 斜め観察可 断層=3Dタイプ |
方式 透過=2Dタイプ 断層=3Dタイプ |
倍率:1~2倍(※1) 実解像度:0.1mm程度 実解像度=JIMAチャート |
倍率:20~30倍(※1) 実解像度:50μm程度 実解像度=JIMAチャート |
倍率:500~1000倍(※1) 実解像度:5μm程度 実解像度=JIMAチャート |
倍率:1000倍以上(※1) 実解像度:1μm程度 実解像度=JIMAチャート |
倍率:2〜5倍(※1) 解像度:10〜50μm程度 実解像度=JIMAチャート |
倍率不要なサンプルに適している |
BGAの観察できるが、 |
高倍率でBGAのクラック観察可能 |
高倍率でICのワイヤボンディング観察 |
|
価格 300〜500万円 |
価格 600〜800万円 |
価格 1000〜2000万円 |
価格 3000〜5000万円 |
価格 3000〜5000万円 |
(※1)幾何学倍率 | |||||||||
似たり寄ったりで 差は小さい |
価格差以上に 差が大きい |
||||||||
SELECT AN X-RAY SYSTEM BY APPLICATIONX線検査装置の用途別の選び方
1.生産ラインでの自動検査
- コンベアで自動搬送、OK/NGの自動判定機能を有す
- AOI(外観検査)のX線版(AXI)
自動搬送機能、精密位置決め、自動判定機能など高機能が必要 - 価格は3000万円~6000万円
2.生産品の抜き取り検査、良品確認
- 見えない部分の目視検査の代用、良否判定は人間
- 検査対象により2倍~1000倍くらいまで
- 価格は300万円~2000万円
3.不良品の故障解析
- 顕微鏡検査の代用、不良内容の解析は人間
- 高倍率(1000倍)、高解像度、重なった部分ではCT検査が必要
- 価格は3000万円~1億円
SELECT AN X-RAY SYSTEM BY APPLICATIONX線検査装置の
価格と性能
DETERIORATION AND WEAR AND TEAR装置の劣化・消耗
について
X線管の劣化・消耗/
ターゲット(陽極)の消耗について
「反射式ターゲットX線管」は、電子ビームによってターゲットが溶解し「焦点径」が拡大します。よって初期の焦点径を維持することができません。
事例:「当社のX線装置は古いので「画像がボケ」てしまい、何が映っているのか判らない」と言う言葉をよく聞きます。これはターゲット劣化による焦点径の拡大→画像品質の劣化によるものです。
X線は出力されるが、解像度が低く観察対象が見えない。→性能的に寿命です。
X線管の劣化・消耗/
カソードフィラメント(陰極)の消耗について
真空管内で高電圧を印加されたカソードフィラメント(陰極)から飛び出した熱電子がアノードターゲット(陽極)に衝突し、波長の短い電磁波(X線)が発生します。
カソードフィラメント自身が消耗して熱電子を発生するため、使用時間によって消耗し最終的には切れて、熱電子が発生しなくなります。これがX線管の寿命になります※)。
開放型X線管はカソードフィラメントの寿命→フィラメント交換作業
※)X線管の寿命は使用状況によって大きく異なります。上記の数字は保証値ではありません。